さんぞく放浪記

さんぞく放浪記

旅行好きが好き勝手するブログです。

使える足はなんでも使おう 後編

前回の続きです。
ホウチシテイタワケデハアリマセン。

 

sanzoku-man.hatenablog.com

 

前回は東京から飛び出し紀伊半島へ。

普通であれば紀伊半島を回ったらそこで帰途につくのが一般的だとは思いますが、これはマゾヒストツーリズム。

これで終わりなわけがありません。

 

 

気分はホテル?

三重・和歌山を回って大阪の港にきました。
港ですからここからはお船なのですが

行先は門司港東予港。この時の時刻は9時前なので、すでに名門大洋フェリーはででいます。

となると?

オレンジフェリーで四国に渡ります!!

オレンジフェリーはここ、大阪港から愛媛県東予港を8時間で結ぶ瀬戸内海を航行するフェリーです。
フェリーのなかでは少々お高めの価格設定と短い航路ですが、人気の理由を乗ることで理解しました。

これかぁ...
ホテルばりの豪華なエントランスがお出迎え。短距離でありながらそれなりのお値段がしますから多少はね?

通路からドアに入ると、また通路。
指定のドアを開ければ個室へアクセスできます。
ドアをあけたらまたドアなので何だか変な気分。

中はこんな感じ。
狭くなくてgood。ベッドの大きさはなんとかセーフ。
コンセントもちゃんとあるので安心。

ただ、密閉空間なので冬でも暑い...
本航路は穏やかな瀬戸内海を航行するので全く揺れは気にならず快適。

鍵は内鍵のみなので部屋を離れる場合は貴重品をもっていくべき。

10時丁度に出港。汽笛を鳴らすのかと身構えていたのに鳴らさずに岸壁から離れました。ちょっと残念。

出港を見届けたら、そのままお風呂にGO。大浴場には温めの湯船とジェットバスがあります。
ジェットバスはちょっと?熱いので注意。
熱さ指標としては高校生は誰一人入ってなかったレベル。いやわかんねーよ

夜も更けた11時頃。デッキに出ると船は明石海峡大橋に突入。
風呂上がりの丁度いいタイミングでした。

この後は瀬戸大橋...なのですが、さすがに人間の電池が切れそうになってきたのでここいらで就寝。
実際、逝きかけていたので(仕事終わりに快活で3時間睡眠)。

起きたらもう四国の岸壁が見えてきました。
もう少しくらいに乗っていたかったね。ほぼ気絶してたけど。

定刻通り...ではなく10分早い5:50分頃に下船開始。
ちなみに7時まで船内待機ができるのでのんびりするのも乙なモノ。
私?一刻を争う旅をしているので無理ですね...

そんでもって無料の送迎バスで約20キロ先の今治駅まで送ってもらいます。
バス代を考えるとやっぱり運賃は高くないのかな?

アンパンマンの國

今治からJR四国にお世話になります。

2月でしたのでスマえき(か)しこく1日フリーきっぷ*1が使えラッキー。

ここからいしづち101号で松山へ。

1041M いしづち101号

ほえー...

幼児界の帝王が来ました。ここがアンパンマンの領土だということを忘れていました。再々リニューアルした8000とかまだ乗ったことのない8600とか乗りたかったものですがね...

アンパンマンの背に乗りひとまず松山に。

徐々に明るくなってゆく瀬戸内海を見ながら西に向かうのも乙なモノです。
寝不足の体に振り子はちょっと障るけど。

南国へ誘うぶっ飛びコースター

さあ愛媛は松山。さらに駒を進めるために乗り換え、宇和海へバトンタッチ。
朝からアンパンチを喰らい さーて宇和海は~?

はい。二度打ちです。。。

そうなるようにダイヤが組まれているみたいですね。
時刻表に載っているんだから確認しろという話ですが。

個人的にはこっちに乗せてほしいが、回送。

やなせたかしって高知じゃなかったか...?

またまたアンパンマンの背に乗り、松山を発車。軽快に南へ突き進んでゆきますが...

伊予市を出てから列車の様子が変わり???
立派な高架線に上がった列車はエンジンの唸りを上げ、高速走行したままカーブに突入。そしてトンネルに入るたび歪む窓と軋む車体…
これがアンパンマン飛行体験?

うねる内子線で100キロ前後を維持しながら突き抜けてゆきます。

多分今まで乗った特急の中で過激な部類かもしれません。

コレ乗る前は宇和海ってローカル特急でしょ?という認識でしたから。

実際は出せるだけスピードを出して高速バスを叩きのめす気概を持つ硬派な特急でした。
ちゃんと1時間に1本あって、ガラガラというわけでもない。
こりゃすごいわ。

激走を続けた宇和海は内子で少休憩。対向列車待ちをして、また激しい走りへ戻ります。

ここからは高架線から地上におりてありきたりな山中と田園風景の中を走る訳ですが、スピードは一切緩めず吹き飛んでゆきます。

四国は未開の地なのでマンモスが車窓から見ることができます。
藁で出来ているそうですがデカくね?
まだ雪が残っているので氷河期みたいな様相。

車窓に目を凝らすと段々畑と果樹園が広がり皆、オレンジ色の実を付けているのを眺められます。
みかんの本場であることは実感。
ただ、こんなに綺麗な景色は高速で流れてゆくので味わう時間は短い...

宇和島さんぽ

松山から地を這うアンパンマンがあっという間に宇和海宇和島に連れてきてくれました。

宇和島駅はホテルとくっついているので立派な印象。汽車しか来ないし、有人改札だけど(このことを覚えておいてください)。

せっかくきたのでちょっと観光。
駅前には暖かいことをアピールするためなのかヤシの木が植えられているため南国情緒を味わえる。
台風の時って大丈夫なんか??

アーケードは人がいませんが朝なので、、、
朝だからだよね?
名誉のために補足するとイベントの準備をしていたのでこれからでしょう。

街中散歩しながら宇和島城へ。
立派な正門から入ります。

入ると石段が続き重荷を背負った体を虐めてきます。
ちょっと急ですが恐怖を覚えるほど急ではないのでご安心を。

石段を登り続けると小さな天守がそびえています。

どこにでもありそうな天守ですが1672年の完成から「そのまま」で、日本でも貴重な現存天守の一つに数えられるだそうです。

天守は小高い山の上にあるので宇和島の市街地を上から眺めることができます。
こうしてみると結構山が近いもので。
道理で線路が無茶苦茶に曲がっているわけだ。

時刻は11時。少々早いですがお昼ご飯に。

これが食べたくて宇和島に来ました。
宇和島の鯛めしです。駅から程近い「ほづみ亭」というところでいただきました。

松山の鯛めしがそうなのですが、一般的に鯛めしというとご飯と共に炊いたものでしょうが、宇和島のものは漬けスタイル。
刺身の鯛が入っていて、たれは醬油ベースで卵が取り纏めてくれます。
さながら高級卵かけごはん?

勢い余っておひつを丸ごとおかわり。だって美味しかったんだもん。

1062D 宇和海12号

1064D 宇和海14号

ちょっと時間があったので食後の運動を兼ねて宇和海を見送り。
疲れ気味の2000はともかく、N2000の方もステッカーがはがれているし。しおいって...
関東の民なので気動車特急自体新鮮なんですよね*2

道後温泉温泉抜き

腹ごしらえを終えて宇和海14号で戻ります。

今度はアンパンマンではなくN2000。
2000と比べるとあんまりない印象。性能はやや強化されていますが、内装も色が違ったりとかなので...

松山に戻ったらなんかいました。
乗らせろ。

とりあえず松山の街に繰り出します。
そんでここは松山駅...なんですが、さっきの列車が停まるきれいな高架ホームと打って変わり昔ながらの佇まい。

駅舎を進むと旧松山駅ホームが鎮座。

ほんの少し前まで稼働していただけあって現役の残り香が漂っています。

そんなホーム以外は姿を消し始めて、2025年2月には線路の一部と電力関係がなくなっていました。

新しくできた改札側はまるで新幹線駅を想起させるような立派さ。
それにしても四国に新幹線がくるのはいつになるのか。

古めかしい伊予鉄の軌道線でごとごと。
なんでオレンジ一色にしたし...

道後温泉駅ってスタバ入っているんですね。
スタバで茶シバきするほど本数は少なくはないが。

保存されているかのように展示されている坊ちゃん列車
専用の引込線と石碑が用意されているのは珍しいのでは?
素晴らしいフォルムをしていますが坊ちゃん列車は蒸気機関車ではなくディーゼル機関車なのはご愛嬌。

松山に来たらやっぱり外せないのが道後温泉
3000年以上の歴史を誇る日本最古の温泉の人気ぶりは伊達ではありません。

本館は去年の12月に工事が完了したとあってとても綺麗。
前方右手の受付で入湯プランが選べるらしいです。
コレってスーパー銭湯じゃね…?

あとですね、藩士お馴染みの場所の聖地巡礼しました*3
時代が時代なので自販機はないし、お店はリラックマだしで結構変わっている感じですが、側溝はそのままのようで。

ついでに近くにあった伊佐爾波神社も参拝。
まーたひざいじめだよぉ。

 

そんで温泉街きたのに温泉の話はしないのかって?
この日は微妙に寒く土曜日であったために銭湯はかなり混雑。
足湯はおばちゃん軍団が占拠。

 

泣く泣くパスと相成りました。
何しに来たんやお前。

大街道はちょっと散歩しました。
そんだけです。。。

お土産漁った帰りに大手町のダイヤモンドクロスへ。

電車が踏切で電車を待つというとても不思議な光景が松山の中心地で行われています。
車輪が独特なジョイント音を街中に響かせます。
路面電車側も鉄道側も車両の更新がすすんでいるので近々、今の組み合わせは見れなくなるかも。

端から端へ

お土産送っていたら乗りたかった特急に置いて行かれ...
8600だったんよな...

てなわけで選ばれたのはいしづち28号。またベテランの8000に世話になります。

バイバイ松山。
高松までのお供は温州みかん。おいしゅうございました。

朝来た道をさらに引き返して高松。
去年ぶりですね。

高松で一瞬何か買おうとしたら閉店の音楽が。
ここに到着したのは19:58。8時で閉まったってことは2分しか猶予はなかったってことです。無理ですね。はい。

本日のアンカーはしおかぜの後ろを追いかけてきた2700系。今は亡き岡山発のうずしお29号で先へ。
ちなみに一本前はレアキャラの2600系だったとか?

暗いなかうずしおは大激走。1時間ほどで徳島に到達。

徳島に着くなりオンボロ気動車キハ47がお隣に。
興奮して荷物をうずしおの中に置いてきたそうです。馬鹿だね*4

徳島駅クッソ立派!オメー宇和島の親分だな?
やっぱり裏のホームには電車はおろか汽車しか来ないし未だに有人改札です。なんなら木造だし。

かなりギャップの激しい駅ですが、街の賑わいようを見ると明石海峡大橋の存在と阪神間の高速バスでしょうか。

この辺にぃ、美味いラーメン屋、あるらしいっすよ。
ってことで徳島ラーメンです。甘辛くてすき焼き風?ラーメン。

卵1こは貰えるのでとても嬉しい。
ちなみに替え玉しました。食い過ぎ。

快活に行く途中で見かけた徳島城跡の鷲の門なんですがなんでこんな色でライトアップしてるんや?これじゃラブ...

明石海峡大橋リターンズ

現実に戻る日になりました。

徳島大学前から高速バスに乗ります。目の前が泊まっていた快活なのでギリギリまで寝ていても安心!?
目的地は神戸。というかまた大阪です。

2日前にくぐった明石海峡大橋を今度は上から渡ります。
下からももちろん、上から通ってもこのつり橋の美しさを確認。
このようなプランになったのはたまたまなのでなんか嬉しい。

渡り終えると急に神戸の街へ入ってゆきます。
さっきまで畑とパソナばかりだったのに。

三宮に放り出されます。
その後は色々乗り継ぎ大阪へ。

なんでまた大阪戻ったかって?
アレですよ、凸■■■■■■■凸を見にわざわざ徳島から飛んだわけです。

これのためにプランを捻じ曲げて大阪に戻ってきました。
フル編成+PP+正調HMなんてこの先もうないかもしれないし。
これは頭デンシャ。

詳しくは「宮原操車場ツアー」と調べてね。

公共交通機関コンプ

はんきゆうのってー

大阪モノレールのってー

大事な大事な用事を済ませ、帰りは新幹線...では面白く?ないので飛行機で帰ります。スマートU25を使えば新幹線より安いしね。
大阪国際空港...?伊丹空港に行きたかったのに間違えた??

 

デンシャをしていたせいで保安検査締切まで30分前に空港に着いたのでかなり危なめ。良い子はマネしないように。りくろーおじさん買い忘れた。

今回の機材はA321。恥ずかしながらエアバスははじめてなのでいい経験。

定刻通りドアクローズ。久々の空中散歩。
今は混雑でろくにいけない建設途中の万博会場が。

あ。席は非常口ですた。
すっごくひろいなー。この席。しかも乗務員さんとお見合いだよ。

新幹線よりも圧倒的速さで羽田に着弾。

これにて陸海空の主要公共交通機関はコンプリート!

そして、次の日はいつも通り出勤したのでした...

おわりに

いかがだったでしょうか。前半は紀伊半島、後半は高知以外の四国旅。

本来は紀伊半島で終わる予定でしたが思いの外大阪到達が早かったため、別に計画していた四国をくっつけることにしました。
大阪に用がなければ高知まで行き、宿毛経由で宇和島八幡浜~別府という計画がありましたが...
これは追々やってゆくかな。

またいつになるかわかりませんが次なる計画を立てることにします。

長々とご覧いただきありがとうございました。

 

 

*1:閑散期2月くらいになるとスマえきで発売されるフリーきっぷ。四国全線+土佐くろしお鉄道の一部が範囲で一日1万円。当然のように自由席なら特急OKの超得きっぷ。

*2:2025年6月現在、突如として気動車特急がJR東日本で復活した

*3:詳しく知りたい人は「水曜どうでしょう」のサイコロ1を見てね!

*4:即回収したので大事には至らず

使える足はなんでも使おう 前編

お久しぶりです。お久しすぎるかもしれません。
前回の更新はピエール瀧がコカインで捕まった頃だったかなと。
どうも記憶が曖昧でね...

あっちこっち出かけていましたが、その大部分は車で日帰りなんてことばかりでここで書けるほどの内容はなく。
特に電車には全くと言っていいほどに乗らなくなり、去年は数えるほどに。

とはいえ、体は正直なものでマゾヒストツーリズム禁断症状を発症、行先を大雑把に選定、久々の長距離行程を組んで実行したので書き綴っていきます。

いつも通り長々と書き綴ってゆきますのでのんびりとお付き合いください。

 

 

波乱の幕開け

仕事を終わらせ、落ち着く間もなく駅へ。

最寄りから東京へ向かい最終のぞみで名古屋に向かい、翌日本場のモーニング味わう予定「でした。」

何故過去形なのか?何故できなかったのか?

答えは簡単で電車が来ません。

この日はかなり強烈な風が吹き、常磐線は「時刻」という概念が消滅。さらに、この会社は私の事が嫌いなのか乗る予定の普通列車と特急を運休にするという…
水戸支社は思考盗聴をしている!納豆電波から身を守ろう!

仕方ないので当日中に名古屋に行くことを諦め、東京で打ち切ることに。東京に泊まったとしても一応計画に支障はありませんので。モーニングはなしだけど。

 

上野までノンストップのはずが土浦に止まったり、そもそも品川までたどり着かなかったりして、結局最終のぞみには逃げられ神田の快活に滑り込んだのは11時過ぎ。

翌日は4時半起床。すでに厳しい……

一日遅れの名古屋

 

おはようございます。なんとか起きられました。

起きないとパックの値段が変わるし…

西へ向かうためにひとまず新幹線に乗ります。

 

 

神田ということで当然、中央線が走っています。なのでお試しのグリーン車利用。一駅だけ。この間に山手線を3本見送っています。

無料だしええやん…

もうね、しこたま金を積まないと乗れないし…
いや、中央線ホームから乗り換えは面倒だわ。

東京から乗ってもいいのですができるだけ早く名古屋に着きたいので東海道線でさらに南へ。

 

 

品川からようやく新幹線。のぞみ99号で名古屋へ向かいます。確か東海道・山陽新幹線では文字通り始発だったはず?*1

6時きっかりに品川を出発します。

 

 

まだ月が出ている品川を発車。街の明かりもまばらですね。

 

 

せっかく山側取ったのに富士山もまだ眠いようで顔を出してくれません。南アルプスとかは見えるのに。。。

大都市から工業地帯を抜け紀ノ国へ

 

名古屋で降り、今回お世話になる特急のひとつである南紀に乗車。ここ、名古屋から終点の和歌山県那智勝浦、紀伊勝浦へ約4時間の旅路です。

モーニング探ししたかったな…

 

 

紀伊半島へ誘う旅の案内人はHC85系。2年程前に先代のキハ85系を置き換えた、いわゆるハイブリッド車です。同じ名古屋から高山・富山を目指すひだと同じ車両を使っています。ただ、ひだは4〜10両で走行するのに対して、2両と特急列車としては最小単位での運行です。

キハ85系時代に「ひだ」に乗車しているので比較してみると、静粛性・揺れの少さが挙げられます。後述するハイブリッドシステムのおかげで静かな時間が増えてますし、エンジン音が大きくなる排気ブレーキを使わないので荒々しい音もしません。それ故、静かでした。流石にエンジンが回っている以上電車よりはうるさいですがね…

足は電車と共通なのか、かなりしっかりしていて好印象。保線状況も相まって終始落ち着いた乗り心地でした。


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ハイブリッドで環境に優しいことを宣伝するために大型電光表示器にはどのエネルギーで走っているか教えてくれます。ハイブリッドカーのメーターみたいな感じです。
システムとしてはシリーズハイブリッド
エンジンで電気を作りモーターで走り、減速時はモーターで電気を回収。日産のe-POWERと同じようなシステム。なので電気を使う加速時とバッテリーが空になる駅での長時間停車だとガラガラとエンジン音を響かせます。

 

 

暖色系の座席はちょっと硬いかな?N700Sのような個人的には好きではない硬さ。現代の特急列車のマスト装備であるコンセントは完備されています。
あと、珍しいと思ったのが遮光カーテン。
スクリーンタイプのブラインドではなくカーテン。現代の新車では絶滅したかと思っていたカーテンが復活したのは、仕切りのない大きな窓への対策でしょうか?

ちなみに何故自由席なのかというと単純に指定的が埋まっていたからです。
なにせ券売機叩いたの前日の夜ですから。ガハハ...


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8:02 南紀1号は持ち前のモーターで静かに出発。さっきまで充電で唸ってたけど。

列車は名古屋を出て東海道線と別れ進路を海の方へ。


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名古屋を出てからず〜っと近鉄名古屋線関西本線の絡みつくようについてきます。松阪まで骨董品の普通列車優雅な近鉄特急をまじまじと見せつけてきます。


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まもなく四日市。緑のタンク車と北海道から来た機関車が待機中。こんな街まで「赤い熊」はヤバい。ここから長野県は南松本のオイルターミナルへ向けて石油を運んでいます。いわば長野の生命線ともいえる貨物列車の起点です。


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ここからずっと走ってきた関西本線から離れ、津方面へのバイパスとなる伊勢鉄道に突入。と同時に非電化複線の高架線になります。
関西本線をそのまま進むと奈良方面へ行くので今度来阪するときに使いたいルート。


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伊勢鉄道伊勢線はいきなりステーキの店舗並みに勢いで建設してしまうアレ*2が建設した高規格の路線です。ただ、バイパス線として建設されているわけですから採算が取れず第三セクター化、今に至ります。

高規格ですから線形がよく、津めがけてひた走ります。

沿線には「神が創りしサーキット」こと鈴鹿サーキットがあり、駅まで用意されていますが…いますが……


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中瀬古から単線になりますが、明らかに複線を見越した空間があります。
この先も空間のままだと思いますが果たして...


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「説明するのが面倒な名称」第3位の津。なんか言いづらいし、聞き取ったところで「?」な県庁所在地。
津って何が有名なのか調べてみたところ、やっぱり名称の短さ。あとは餃子らしいです。


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松阪付近から再び近鉄が接近。
まるでこちらが本線と言わんばかりに横付けしてきます。

良く見えませんが後ろには伊勢志摩ライナー南紀の尻を舐めるようにくっついて来ています。助けてー集団ストーカーに襲われてます!



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「まつざか」ではなく松阪を発車すると遂に近鉄とお別れ。伊勢市・賢島方面へ進路を取り、この先紀勢本線から分離する参宮線を叩きののめします。
個人的にJR東海は昔から近鉄に殴られている印象...


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近鉄に叩きのめされる参宮線はここ、多気から分岐。日本でも珍しい「行為」が路線名なっていますね。

伊勢神宮弾丸参宮も検討してたのですが、まぁ無理なもんは無理なので今度来た時にします。

ここから山がちな風景へと変わってゆきます。


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南紀に乗っているはずがひだに乗っている気分に。列車は険しい流れの大内山川に沿ってトコトコ進みます。


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紀伊長島からいよいよオーシャンビュー。途中途切れることはありますが、どこかしらに海が見え続けるようになります。


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いやぁ…キレイすぎるでしょ…

淀みが極めて少ない綺麗な海と砂浜が姿を現し、興奮度を高めてくる車窓。
暫く満足感の高い海辺をひた走ります。


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大きな熊野川を渡り,ついに列車はJR西日本の入口にして観光地、新宮へ。


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自由席の客は殆ど新宮で降りてしまいガラガラ。なんと自分一人でした…

ということでキラキラと輝く水平線を独り占め。太平洋とは思えないほどの透明感を車窓からも確認できます。


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途中、新宮に向う鉄拳アドベンチャーワールドラッピングとすれ違い。終点の紀伊勝浦までもう少し。


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列車は終点、紀伊勝浦に到着。3時間54分でした。
やっぱり指定席は混んでいたらしくそれなりの乗客が降りてきました。自由席は空だったのに。

街としては那智勝浦、駅は紀伊勝浦。駅の方が先で那智町と勝浦町が合併でできた名前らしいです。
関東人からすると千葉が思い浮かびますが、「勝浦」という名前は割と点在するみたいですね。


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駅前は古き良き観光地の雰囲気を色濃く残しています。とはいえアーケードは少々寂しい感じでしたが...

アーケードは基本的に海産物や海鮮系の飲食店が並び、燦然とオレンジ色に輝くみかん専門店がありました。

三大名瀑「那智の滝

那智勝浦に来たらやっぱり目指すは日本三大名瀑の「那智の滝」を拝みたいものです。袋田の滝(茨城)・華厳の滝(栃木)はすでに何回か見ていますので以前から気になったいました。

駅前の営業所で乗り放題券を買い、バスが来るまで待機。ちなみに那智の滝がある那智山方面に行く際は乗り放題券を買った方が安く往復できます。

那智駅を経由ながら海から山に向かってグイグイ登って25分で熊野那智大社へ。お参りしながら見物にいきます。


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まずは熊野那智大社

階段が多く荷物が多いとキツいかも?と思える階段ですが、金刀比羅宮に比べたらそうでもないかな。


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神様の使いである三本足が特徴の八咫烏も境内に鎮座しています。

というか何故か那智大社辺りの写真がない…


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お隣にはお寺も隣接しており、こちらは那智山青岸渡寺。このあと出てくる三重塔があるお寺です。


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あれ、こんなもん?多分ですけど水量が足りなかったのかな?
パンフレットや紹介ではしっかりとした水量なので、時期が悪かったのかなと。梅雨の時期とかの方が迫力あるのではないかと。とはいえ絹の糸のような落水でとても良いです。迫力というよりも美しさのある滝でした。

青岸渡寺の三重塔と那智の滝のツーショットは正に「日本」。言い方が悪いですが、いい意味で「ステレオタイプ」の絶景です。晴れてて良かった。

 

 

参道は険しくも自然豊かで歩いていて楽しいです。マイナスイオン激浴び!

老若男女問わず石段をガンガン登ってくるもんで...

 

 

バスで外界まで戻りこのエリア名物のめはり寿司探し…に失敗。

港の物産店で探しましたがどうも見つからず、バスで見たAコープに行けばあったかも…

時間も微妙でお店で頂くにも時間が足りない。

仕方なしに諦めることに。

後遺症が残る紀ノ国のアイドル

ではでは電車の時間になったので駅へ。


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ここからお世話になるのは、遠く新大阪まで駆け抜ける「くろしお」です。使用車両はイルカのようなデザインをしている283系。間もなくデビュー30年目を迎えるベテランです。
対高速バス兵器として、リゾート特急として期待されていたにも関わらず、たった18両しか製造されなかった悲しき特急形*3。さらにご自慢の振り子制御も「足腰」を悪くしてしまい停止状態。。。*4
イルカを模したスマートなデザインでありながら不遇な扱いを受けつづけ、近年では引退が囁かれる始末。


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コンセントはなし、アコモはシッカリしつつも平成が漂う感じ。照明は電球色強めでムーディ。
個人的には好みかな? コンセントないけど。


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避難の栞にいたパンダはかわいいい。
そんな283系にのって紀伊勝浦を出発。


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最初の停車駅は太地。
イルカやクジラ以下の知能なのに勝手に代弁して文化を否定する奴らの標的になりやすいイルカやクジラの町、落合博満の町として知られていますね。ホントは寄って博物館やグルメを楽しみたかったのですがまた今度。


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古座にて同じ283系と離合。あっちにはラウンジがついているのにこっちは...


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この辺りはゴツゴツとした海岸と岩が広がり独特な雰囲気。「~岩」シリーズがバンバン現れ、車窓に飽きません。


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本州最南端串本。よく台風の時期になると聞く、潮岬がこの先にあります。


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白浜着。流石のリゾート地。駅も広く、始発の特急が待機してるし、パンダに駅が乗っ取られてるし。よく上野は話題になるのにアドベンチャーワールドのパンダはあんまり話題になりませんよね?


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紀伊水道に沈む夕日を眺めるという贅沢をできるサンセットタイム。車両が傾いていたらこうしてのんびり眺められなかったかも?

白浜を少し過ぎると内陸に入り、市街地が広がります。とはいえ、海辺を走る箇所もありオーシャンビューをもう少し楽しめます。

 

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田辺を過ぎて御坊に停車。ここから日本最短(2.7キロ)の鉄道である紀州鉄道が伸びています。短すぎて我ら常磐線の駅間の半分くらいです。田舎なのがバレるゾ。

 

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和歌山めっちゃ人乗ってくるじゃん!あっという間に空席がなくなる事態に。まぁ、金曜のラッシュですからライナー的な感覚で使われているのでしょう。
昔、「はんわライナー」なんてものもあったくらいだし。

そして和歌山市へ向かう紀勢本線と別れ、ろくでもない伝説を数多く生み出した阪和線に入ります。


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気づいたら大阪。
遠くにはりんくうタウンの観覧車が煌々と空を照らしています。結構分かりやすく光っているもんで。


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天王寺から転線し、大阪環状線に入ります。
関東人からしたら環状線に特急、というか種別をもった列車が入るイメージが浮かびませんが、ここでは普通なんですよね。


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大阪環状線から外れて線路は徐々に高度を落とし、ついには地下に。現れたのはなんと大阪。
これがうめきた新駅ってやつなのですね。これ別駅じゃね?
あー。これ西の京葉線東京ホームですわ。

大阪からみかんの国上陸作戦


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紀伊勝浦から4時間かけ新大阪に着弾。

観光の時間を除くと8時間弱、距離にして約500キロに及ぶ周遊でした。
名古屋~新大阪は新幹線を使えばたった47分くらいなのでいかに遠回りで紀伊半島がデカいか...


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新大阪を降りるとミャクミャク様がお出迎えしてくれます。
あぁ!三回祈らないと縺ゅ>縺�∴縺� �撰シ托シ抵シ���スゑス� �ク�ケ�
というか早いもので万博はもうすぐ開催なんですね。モリゾーとキッコロはどこや


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オーシャンアローに別れを告げ、ちょっとスーパーに寄り道。関東人には珍しい?ラ・ムーに寄り道し夕食確保。感覚的にはトライアルだワ。余計わからんわ
外にある爆安たこ焼き屋は閉まったので残念…


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最寄りの西九条から弁天町を経由して中央線に。

地下鉄なのに階段を登って乗り換え。

地下鉄なのに原付みたいな声で鳴く近鉄に乗ってコスモスを食えと恫喝するコスモスクエアでまたまた乗り換え。もう終点は夢洲なんですよね。


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ニュートラムとかいうなんかに乗って、ようやくたどり着いたのは潮の香りが漂うターミナル。

今回の旅で一番快適な宿の登場です。

次回予告

明石大橋下からくぐる?上から渡る?

 

 

 

*1:2025年3月地点だと5:40発のつばさ122号が一番早い

*2:国直属でありながら勝手に線路を引いて赤字の国鉄に押し付けるとことで有名な日本鉄道建設公団 通称:鉄建公団 渾名はキングボンビー

*3:同じ381系を使っていたやくもも置き換える気でいたのかここでは無用の長物であるはずの耐寒仕様らしいです。

*4:台車に亀裂が生じた上に287・289系は振り子制御を搭載していないのでスジ的にあまり意味がない。さらにホームの隙間を埋めるステップを装着したため建築限界的にも傾斜運転が不可能

そばとうどん、時々飛行機 後編

 

前編はこちらになります。

 

今回は長めなので気長に読んでください。

sanzoku-man.hatenablog.com

 

今回は出雲市から高松を目指します。

 

 

Superなやくもに逢いに行く

おはようございます。前日に比べて遅めにスタート。

ひとまず米子を目指すのでやくもに乗ります。

それにしても朝から緑色のやくもに乗れて幸先いいですね。ただ、乗ってしまえば色なんてどれも同じですが。。。

この列車に乗って先日スーパーまつかぜで辿った道を戻ります。

出雲市を出て最初の停車駅、宍道には木次方面へ向かうキハ120が待機。木次線は常に廃線の噂が絶えない路線ですから、いつかは芸備線と合わせて乗りに行きたいです。

安来で出雲市へ向かうサンライズ出雲と離合。サンライズには乗ったことがあるのですが、ノビノビしか乗ったことがないのでいい加減個室に乗りたいですな。

山陰本線伯備線が別れる伯耆大山伯耆大山で下車し、突然のお散歩。緑色のやくもとお別れです。

スーツケース持ちながら適当にトコトコ歩き日野川の土手に到着。なんか土手ばっかりいってますね。

ここで狙うはスーパーやくも色を纏った381系です。

やくも5号

図鑑とビデオで何回も見たことのある奇抜な色のやくもをようやく見ることができました。どうやら4月にはこの色は引退してしまうらしいので慌てて撮りに。個人的には緑色のやくもと編成がごちゃ混ぜになっているイメージがあります。

肝心な大山に雲がかかり残念。手前にかかるよりかはマシか

キロ47 あめつち

ちなみに、Sやくも色が通過する前に観光列車「あめつち」と大山をやってみましたが当然、逆行で...

撮るよりも乗らせろ

そのまま歩いていたらバスに行かれたりとタイミングが合わなかったので伯耆大山のお隣の駅、東山公園から電車で米子まで戻りました。

やくもの主戦場、伯備線

ではでは、米子から再びやくもの旅を。

その前に先ほどできなかったので軽く車内観察。

やくも用の381系はJR東日本185系と同世代ですがリニューアルが施され古臭さはあまりないように見えます。座席だって簡易ではないリクライニングですし。「ゆったりやくも」の名に恥じない居住空間。あっちはリニューアルしてもゆっくりしずらい...

ぱっと見どこでもありそうな特急の車内ですが、リニューアルしてもなお、ごまかせない381系の特徴は車内のいたるところで見られます。

たとえば、私が取った座席は車両中心に近いのも関わらず、一人掛けシートです。これは381系が高速でカーブを抜ける車体傾斜を存分に発揮するために通常は屋根についている空調を低重心を狙って床下に置いたためにできたしまった空調用のダクトが起因しています。

また、トイレに行くと怪しげな紙袋が常備されています。思いっきり書かれているようにゲロ袋エチケット袋になります。これもまたこの車両の車体傾斜が関係しています。現代の振り子制御はデータに基づいてカーブに入る前に予め車体を傾ける「制御式自然振り子制御」を用いていますが、381系はカーブに入った時の遠心力で車体を傾ける「自然振り子制御」となっています。この「自然振り子制御」はヌメ~とした挙動で車体を傾けることがあり人によっては、乗り物酔いを超え船酔いを誘発するみたいです。これは381系最大の特徴であり、最大の問題です。

そんな快適なのか不快なのかよくわからない381系やくもは伯耆大山から山陰本線を離れ、伯備線へ。

伯備線に入ると進行方向左側には雪を被った大山がどっしりと構えています。Sやくも撮った時もこれくらい抜けろよ

高さは1709m。伯耆富士と言われるほどですから台形の山体がとても美しいですね。

有名撮影地がある根雨伯備線は単線ゆえ行き違いのために停車することがあります。この先の有名撮影地「ネウクロ」にカーブに柵が付くとかなんとか。381の寿命的に色々手遅れでは...

この辺から車窓に先の線路が見えるほどカーブがきつくなりはじめました。381系の本領発揮といえる区間へ入ってゆきます。

分岐している線路はは見えませんが備中神代からは芸備線が出ています。しかし、後述する新見が列車としての起点ですので接続駅の感じは薄め。

伯備線の中心的なターミナル、新見。ここから姫新線と先ほどの備中神代から分岐する芸備線がでています。お手元に時刻表あるなら見てほしいのですが、ここで米子方面と岡山方面で系統分離がなされています。やくものように伯備線を走破するのは朝の一本だけ?

伯備線には石灰を扱う工場が立ち並び、時折白い山肌や敷地を眺めることができます。今でこそ廃止されましたが、姫路方面へと石灰専用列車が仕立てられSLの最大勢力D51が3重連で先頭に立っていました。

見どころは石灰だけでなく山がちの路線ですので「絹掛の滝」という滝まで見ることができました。なーんか水量が少ないような...
遠くから見たので少なそうに見えたのでしょう。うん。。。

山がちな景色も一変、開けたと思ったら伯備線の旅も終わり。倉敷です。ここから山陽本線に乗り入れ岡山であとわずか。

岡山には定刻通り。船酔いもとい乗り物酔いは一切ありませんでした。コンセントないこと以外は大きなマイナスポイントはありませんでした。(個人的感想)

伯備線の感想としては山陰連絡に特化した路線で、山中をぐねぐね曲がりながら突き進む雰囲気は秋田新幹線を思い出させる感じです。ただ、150キロにも満たない路線にも関わらず姫新線芸備線吉備線など接続している路線が多いと感じました。

さて、乗り換えてうどんの国、香川へ。

快速列車、海を渡る

なんか乗れそうだったので2分で乗り換えを済ませ、瀬戸大橋線マリンライナー43号で岡山を離れます。

列車は岡山から南に進み、茶屋町を過ぎてこれまで走ってきた宇野線とお別れ。瀬戸大橋線宇野線茶屋町~宇多津の本四備讃線が合わさった愛称で、元々四国に行くためのメインルートは離れていった宇野線の方で、この先の宇野から高松へ宇高連絡船が出ていました。

宇野線を離れると大島児島へ。分かりづらいですが児島はジーンズの街でエレベーターにはジーンズのラッピングが施されています。

児島を出ると、JR四国管内へ足を踏み入れいよいよ本州から離れます。

短めのトンネルを出るとそこはもう海の上、瀬戸大橋突入です。

眼下には海が広がり、船が数珠つなぎで航行。停車駅はありませんが小さな島に瀬戸大橋の支柱があるため島を通って四国へ向かう姿は渡り鳥のようです。車窓に島の街並みが映るのは新鮮。

本州から3島に向かう際、津軽海峡関門海峡も列車はトンネルを通り海を渡るのでこうして上から海を渡るのはここだけでしょうか。

坂出のコンビナートが見えてくるとついに四国上陸*1。と同時に線路は東に向かい、高速道路のジャンクションのような構造をしているデルタ線を経て坂出に。

岡山を出て53分で高松に到着。マリンライナー早いっすね。

高松に着いたら何をするか?うどん!!

さっさと荷物をホテルにぶん投げてうどん屋探しです。ちなみに、夜に空いてるうどん屋は思ったほど多くありません。大抵は朝から昼でした。

そういうわけで初日のうどんはチェーン店系の「めりけんや」。

スタイルは丸亀とかはなまるみたいな感じでした。気になる人は東京にもお店があるので是非。

夜の高松の街を徘徊した後は休みたかったのでホテルに戻りました。

四国のインターアーバン ことでん

おはようございます。なんやかんや帰る日になりました。

始まりはやはりうどん。モーニングうどんです。

駅前の「手打ちうどん 味庄」というお店でいただきました。つゆは自分でかけるスタイル。麺は手切のもちもち寄りでした。

朝からやっているお店なのでどこかへ出発する前にはいいかもしれません。

この日はことでんで、通称「こんぴんらさん」金刀比羅宮を目指します。

その前に車両観察を。

まず最初に来たのは元京急700形の1200形。後ろには元京王の5000系を携えています。前者は京急で初めての4扉車として普通運用に特化したものの、性能と編成特性に悩まされて追い出された車両です。追い出された理由はどうも琴電に合致し、主力として「四国初の4扉車」という名誉をぶら下げ元気に走っています。後者は地方私鉄ではお馴染みの京王5000系です。台車は京急1000のものに振替えています。すでに車齢50年越えのベテランですが、行先表示器がフルカラーになってるものもいるとか...?

お次は琴平線の顔とも言える1080形。京急の顔、初代1000形ですが初期ロットに当たる車両のため64~65年前の電車となります。すでに本家ではコイツを追いやった京急1500形の一部が解体屋送りになっているので生命力が恐ろしいです。

こちらは長尾線用の1300形。1080形と同じ元京急1000形ですが、ロットが比較的新しく(1974~1978)台車などが異なるため別形式になります。簡単にいうと2代目京急1000のアルミ車とステンレス車の関係みたいなものでしょうか。ちなみにこの系列が琴電最新だそうです。気が狂う!

古参である1070形に遭遇。元京急600形という特急形でしたが低性能が祟り、京急を追い出された上で様々な改造が施され御年67歳。日本最古のカルダン駆動車として長寿命を誇り、都営10-300 4回分の車齢です。置き換えの中心にいた1000形が置き換えられて、同じことでんに来ているレベルで古いので再来年度導入される新車に置き換えられることでしょう。というかラッシュくらいしか動かないし…

続けてやってきたのは珍車、600形です。元々名古屋市営地下鉄で走ってきた車両を無理くり改造(先頭車化改造・第三軌条から架空集電に変更した上で600V⇒1500Vに対応・拾ってきたクーラーで冷房化・琴電のホームに合わせて台車の嵩上げと志度線の車両以外にステップ装着など)して走らせています。16mない小型車ですが、ことでん全線に仲間がいます。ただ、黄色を纏う琴平線仕様はラッシュ以外は走らないことと、小型であることを理由に新車に置き換えられてしまうかもしれません。

と、まぁ…古くてキャラの濃い車両ばかりで胸焼けしそうな朝ですが、撮影地から琴平線の始点である高松築港からお世話になります。

その前に、これから乗ることでんについて少し紹介。

ことでん、正式名称は高松琴平電気鉄道琴平線長尾線志度線の3つの路線とバス路線などを持つ高松のボス的存在で、地方私鉄としては珍しい1435mmの標準軌を採用しています。高松を牛耳る力を持っていることでんですが、後述する瓦町開発の要であった「コトデンそごう」の開発がバブルを逃し、1997年になんとか開業するものの、そごう自体2000年に吹き飛ぶという大惨事。1年後に「コトデンそごう」も閉店し莫大な借金が降ってきた琴電自体も巻き込まれる形で吹き飛びました。高松近郊のインフラを握る琴電でしたが、救い手のなく「電車は要るが『琴電』は要らない」という痛烈な批判的が浴びさせられたようです。というのも車両は古く、接客態度が最悪だったことがこのような批判につながったと...

このあと経営陣の総とっかえで再生。ひらがな表記の「ことでん」とし、Suica誕生から4年で交通系ICカードに目をつけ、商店街などで利用可能なIruCa投入したりと旧琴電のイメージ払拭へ奔走しています。長年問題となり、現在も解決していない車両の老朽化問題には2025年度に投入される新車で解決しそうです。

高架化や新車投入が予定されイケイケドンドンなことでんですが、最近、踏切が誤作動したり、線路状態を見ているとあまりお金がないのだな...と...

話を戻し、高松築港から琴平線の終点である電鉄琴平を目指します。

高松築港から出る電車の数が地方私鉄としては破格で朝は一時間に9本、日中でも6本以上を維持するという凄まじさ。
ですから、長尾線が分岐する瓦町や一宮までは時間を気にせず電車に乗れます。

だから先程バカスカ電車を撮っていた訳です。

高松築港は駅...なんですが、何とお濠にホームがあって石垣も目の前です。なんか鯛みたいの泳いでたなぁ
ホームで釣りやったら怒られるんかな

どうやら海から海水を引いているみたいですね。この裏は海ですし。

高松城または玉藻城は海水を引いた海城としては有名かつ最初で最大みたいですね。普通、お濠の水は川から引いて鯉が泳いでいるイメージがあります。

お濠のホームから琴平まで黄色カラーを纏った元京急1000形の1080形に案内をしてもらいます。

高松築港を出ると道路をわたり片原町へ。ここはアーケードをぶち抜いて駅に到着します。郵便局にお土産送りに行った際に少しだけ歩きましたが、このエリアは高松駅周辺よりも栄えています。さすが繫華街。

続けて琴電のターミナル、瓦町。先述したように元そごうの商業施設が上にあるので地下駅のような風貌。ここで長尾線志度線は乗り換え。

高架を抜けると琴平線の工場がある仏生山に。こことお隣の一宮までは多数の列車が設定されています。

岡本から直線が多くなりますが、あまり路盤が良くないのかよく揺れます。ことでんというとケツが浮くほどの「揺れ」も名物みたいですね。ご意見書にも危ないと書かれる始末(ことでん側は問題なしと回答)。個人的にはそこまでひどくは感じませんでした。一応、台車直下でしたが、連結面側でなかったことも関係しそうです。今回の旅行は揺れる列車ばっかりだな...

派手に揺られ続けると土讃線の線路が近づいてきて終点へと滑り込みます。

琴電琴平着。ここから身軽になるためにJRの琴平に歩いていきます。

金刀比羅宮RTA

琴電琴平から一旦、JRの琴平に行きコインロッカーにあらゆる荷物を放り込みます。

さあさあ、ここからは体力勝負。こんぴらさんへ挑みます。

普通に登っても面白くないと思うので本気で挑んだら所要時間はどれくらいなのかな~と思い、できるだけ早く登ってみます。

公式発表だと片道40分だそうで。ですが、それはあくまでゆっくりと登った場合の時間です。上には上があるのでね。

こんぴらさんにはどうもマラソンがあり、あちらは御宮往復だそうです。記録は12~13分と人間離れしています。この記録を打ち破れるなら人外的存在になりそうですね。

ただ、マラソンレギュだと危険そうなのでレギュレーションは独自に決めました。

・表参道に入ったらスタート
・ゴールは御宮
・慣れない道なので走らない
・写真を撮りながら上る(観光とタイムスタンプを兼ねて)
シャトル使用禁止
・デスルーラ禁止

以上のことを守っていきます。

なお、タイムは写真のタイムスタンプを参考にしています。

 

はーい よーいスタート

 

10:44

表参道からスタート

奥に控える785段にも及ぶ石段との戦い

10:47

土産屋が立ち並ぶエリア。いろんなお店で手荷物を預かってくれるみたいですが、多分手ぶらでは帰れません。

この辺で100段通過。

10:49

鳥居をくぐり、ここから階段の角度が本格的につらくなってきます。

10:52

大門通過。光圀公の兄に寄贈された総門から先は「神域」とされています。

10:53

石畳がきれいな桜馬場。両手の樹は桜だそうで、お花見の名所みたいです。流石に春の始まりには咲いていませんが。

11:01

最後の階段群を駆け抜け...

11:02

御本宮到着。785段の石段を登り切り、記録は18分でした。写真とか気にしなかったらもっと早かったかも。

あまりいいとは言えない天気ではありませんが、展望台から望む琴平の街並みは綺麗なもので。左側には讃岐富士の名称を持つ飯野山も見えます。台形の山はなんでも富士山を名乗れる??図らずもこの旅では3つの「富士」*2を見ることができました。

伊豆半島からの``使者``

金刀比羅宮を高速で降りて琴平から高松空港行のリムジンバスに乗れそうな時間でしたが、見送り。再びうどん屋を探します。今回の旅のメインですからね。

いっぱい運動しましたから楽しみ。

昼時なのにすいてるな~とテンションが上がるものの臨時休業...

おぉん…

仕方ないので泣く泣く琴平を後にします。

琴平から121系もとい7200系で高松方面へと。この電車も琴電と戦えるほどの改造歴があったり?

高松に直接戻らず、私と同じように四国へやってきた豪華列車に会いにいきます。

ロイヤルエクスプレス 四国・瀬戸内クルーズトレイン 4日目行程

大雨の中を機関車に牽かれやってきたのは紺碧の車両はザ・ロイヤルエクスプレス(以下ロイヤルエクスプレス)

伊豆急行所属の豪華列車です。

普段は伊豆半島をホームとする豪華列車ですが、期間限定で親会社の東急主催で出張運転をします。
これまで北海道での運転実績はありましたが、今年(2024年)から四国にもやってくることとなりました。

3泊4日の行程で、岡山~松山~今治~高松を巡ります*3。最低価格は2人で96万円というぶっ飛び♨お値段。我々庶民も臓器を売るか消費者金融に駆け込めば可能性がありますね!

車内を覗いてみるとこんな感じ。木材をふんだんに使用し、電車とは思えない内装は賛否両論の評価が飛び交う水戸岡鋭治氏のもの。個人的には今すぐに乗せてもらいたいですが。

電車ということで機関車に頼らず走れるはずが電気を取り込むパンタグラフを外して、機関車に引っ張ってもらっています。

電車で架線電圧も合っているので自走はできますが、運転できる運転手もいなければ保安装置も適合しないので機関車に引っ張ってもらうのが最適解でしょう。

そもそも、予讃線の規模(トンネル等の車両限界)ではパンタグラフをつけたまま走れないのですがね。ということで電化路線完結にも関わらず取り外されています。ということで電車にも関わらず電源車(発電機と積んで電気を発生させる車両)が連結されています。

ここから追いかけて列車の終着点、高松に戻ってきたので野次馬。

ここまで担当していたEF210は切り離され待機中。列車はこの先の高松運転所に入り、次の週の運転に備えます。回送にも関わらず電光掲示板のアニメーションが用意されていました。

先頭部には今回の出張運転のためにわざわざ「SHIKOKU・SETOUCH CRUISE TRAIN」と書き足されています。プレデターってこんな顔だったよな?

回送を充当する先頭の機関車(EF65)がJR西日本、電源車(マニ50)が東急*4、ロイヤルエクスプレスが伊豆急行、ここまで先導してきた機関車(EF210)はJR四国に所属しています。そして、走行するのはJR四国の線路。

つまり、ひとつのクルージングトレインに5つの鉄道会社が関わっています。正直、運行の調整や訓練が大変だったと思います。

15時過ぎに回送列車は高松運転所に向かって発車。高松駅を去っていきました。

私もこれから高松を出ようと思います。

高松空港から日常へ

話が前後しますが、互い違いのホームが特徴的な端岡から再び予讃線に乗り、高松空港へのリムジンバスに乗るために高松へ戻ります。

そして高松駅ターミナルから出ることでんのリムジンバスに飛び乗り。平日なのにかなり混んでる...

栗林公園や県庁前を経由し駅から空港まで45分程度。お値段は高松駅からきっかり1000円。これを早いか遅いか捉えるのは人それぞれだと思うのですが、個人的には遅めかと。一応、高松空港は四国でも上位の空港であるはずですからこのアクセスに貧弱さには少々不満があります。

高松空港にはこれから飛行機に乗る乗客のために血圧を上げるドリンクバーがあります。うどんの国らしいといえばらしいですが、それはやっていたらばの話っすケドね。

行きはANAのスマートU25で鳥取へ降り立ちました。が、帰りは高松からJALスカイメイトを利用して帰ろうと思います。

リムジンバスの混み具合から少々不安でしたが、なんとか席を確保。価格は6300円程(6310円)で、下手な高速バスより安いです。どうもスカイメイト設定に加えて、補助金がかかっているためにこのような価格設定がなされています。鳥取に行く際はANAのスマートU25でしたが、それすらも上回る割引価格でした。

それでいてしっかりと一般のサービスを受けられるのでホント素晴らしい。

どちらも会員になる必要がありますが、いつでも取れるスマートU25、期間限定で強烈な価格設定のスカイメイト、国内二大航空会社は高嶺の花だから乗れないと思っている25歳以下におすすめしたいです。どちらも当日でないと取れないのでギャンブルみたいに脳汁出ますよ。

今回搭乗するのはJAL484便。なーんか遅れいるし。スカイメイトの分際で大口たたきながら乗り込みます。機材はANAと同じB737-800でした。地方はほぼこれみたいです。

結局20分近く遅れて離陸。天候と時間が時間だったので外は見えずそのまま羽田へ。

JALビーフコンソメが飲めるのがうれしいですね。サービスはJALの方が好みかも。

離陸が遅れた分着陸からゲート到着も遅れ、荷物も出てくのも遅かったんで川崎で飯が食えず、泣きながら品川に向かいましたとさ。

おわりに

前編の加減を見誤ったせいで後編がミチミチになってしまいごめんなさい。

出雲そば讃岐うどん出雲大社から金刀比羅宮をめぐる旅、いかがだったでしょうか。

いつも通り電車で多めですが...

山陰はほとんど観光できてませんし、四国も高松と琴平くらいですから、もっと巡ってみたいと思いました。それでも新型車両が投入される直前に381系・ことでんを味わうことができてなによりです。3日目の午後の天気はクソだったけどな!

今回の旅は比較としてANAのスマートU25とJALスカイメイトを飛び乗り体験しました。旅立つ方に中身のないカスみたいな感想が役に立てばと。個人的には安定して取れるANAのスマートU25、期間・路線限定だが激安設定のJALという感じでした。

思い立ったが吉日。おトクな方法で皆様も好きなもの目指して旅をしてみてください。

 

長々とここまで読んでくださりありがとうございました。

*1:実は櫃石島の地点で香川県に入っている

*2:本家富士山・伯耆富士・讃岐富士

*3:行程自体はバスも組み込まれている上に高松からは船で岡山に向かう

*4:実は大井町線所属

そばとうどん、時々飛行機 前編

お久しぶりです。昨年末、文春砲を喰らい裁判のために準備をしていたら年を越してしまいました。
別にブログを飽きてやめたわけではなく、ネタが面白いほどなかったので前回からかなり時間が空いてしまい…

忘れないうちにと早めに書いたんで許してくださいなんでもしますから(なんでもするとは言ってない)

言い訳は置いといて、これまで行くことがなかった山陰・四国を中心に今回は出雲大社金毘羅宮出雲そば讃岐うどんを求めて旅をしました。出発前日に完全な思いつきで行くと決めたのでちょっと計画が狂ったりハードなスケジュールになったりと、図らずもマゾヒストツアーとなってしまったお話です。

計画破綻からはじまる空の旅

始発で上京して、京急に乗り換えて羽田まで。
ここから旅立ちます。

まずはカウンターに殴り込みに行き、まだとれていない安いチケットを取りに行きます。

現在(2024年2月)、お高いイメージのある国内航空業界における二大巨頭のJALANAですが、どうも25歳以下のケツの青いクソガキに優しくしてくれてですね。JALスカイメイトANAはスマートU25という名前で投げ売りされています。

どう投げ売りなのか?というと、出発当日に空いてる席があれば高速バス並の値段で宙を舞うことができます。どちらの会社もおんなじ感じです。気になる方は調べてみてください。当然のことながら満席になれば取ることはできません

ただ、まぁ...性質上当日(オンラインは日付が変わった0:00から)になってみないとチケットが取れるかどうかわからないことと、変更ができない点がネックでしょうか。それでも日本を代表する会社に飛行機にLCC並みの価格で乗れるのは大きな魅力でしょう。

そういうわけで、話題のやくも撮って出雲大社行けたらなーってことでJALスカイメイト指定のある出雲空港を選択することにします。たしか8000円程度だったかと。

初回は年齢確認が必要でカウンターで一度処理してもらわなくてはなりません。これさえクリアできればオンラインで予約できるのですが…

狙うは羽田を9:50に出るJAL279便です。

まぁ2月は観光オフシーズンですし、出雲行ですからね。そんなに人気ないでしょうから当日余裕で取れるでしょ!ガハハ!!

終わりです…

土曜日の午前...舐めてました...

さよなら……

でも、ここで引き下がるわけにはいきません。始発で来てるし。

代案を探すべく頭の中を巡らせます。

石見空港...は遠すぎる。

米子空港...も満席...

考えに考えた結果、JALではなくANAに変更。

そして鳥取空港行の便をスマートU25で羽田9:10発のANA293便をなんとか確保。どうにか飛び立てそうです。
料金は13,000円程。当日フレックスだと倍以上なのでお安い。それでもJALスカイメイトよりは高いですね。

悲観的ですけどそもそもこの旅行には「筋書」なんてありません。
だって前日に思いついただけですし。なーんにも下準備をしてないのである程度覚悟はしていました。

なにはともあれ、計画とは少しずれましたが鳥取を目指します。

初めての山陰

荷物をカウンターにぶん投げて、保安検査もクリアして搭乗口で待機。

そんで搭乗。

今回乗るのはB737-800らしいです。航空機は詳しくはないのですが、汎用性の高い機体みたいです。

ギリギリに滑り込んだため、通路側でしたが乗れるだけマシということで。

でも富士山見れたからヨシ!

羽田から大体1時間20分ほどでコナン一色の鳥取空港、もとい鳥取砂丘コナン空港に到着。

砂場しかないのに治安悪そうっすね

リムジンバスも言わずがなコナン一色。バスジャック起きそう
バスに揺られて20分くらいで鳥取駅へ。

まぁ...その...県庁所在地の割にはその...

規模としては前橋とかと似たような雰囲気。土曜の昼にも関わらずあまり人が...

駅は高架化され立派なのですが自動改札ではないという...
ですが、来年には自動改札化するらしく、今しか見ることはできない光景です。

鳥取市民には失礼ですが特にやることがないのでホームに上がり列車に乗り込みます。

山陰の隠れた主役で出雲の国へ

瀬戸内海に面する山陽エリアだと移動は新幹線や高速バスが主力である一方、山陰エリアだと在来線特急と高速バスになります。

無論、この二つの交通機関はライバル関係ということでやり合うわけです。比較的新しく造られる高速道路に対して当時の建設技術で地形に抗わないように造られていった山陰本線。当然優位なのは高速バスなのですが、JR西日本鳥取・島根からお駄賃をもらって高速化のためにある秘密兵器を山陰エリアに投入しました。

それが今回、出雲市まで連れていってくれるキハ187スーパーまつかぜです。

グネグネした路線に対応するために車体を傾ける振り子装置と高出力エンジンを組み合わせた車両です。先頭車両のデザインはのっぺりしていてやややっつけ感がありますが。。。(垂直すぎて空気抵抗が大きくどうやらトンネル突入時は減速しなくてはならないらしい...?)

車内は西日本の電車特急と似たようなベージュ基調のオーソドックスな造り。2両なので指定と自由席の極めて単純なモノクラス構成になっています。もちろん、グリーン車なんてものはありません。

スーパーまつかぜ5号は11:40に鳥取を発ち、西へ。

先ほど述べたようにこの車両は振り子制御と大出力エンジン(900PS)の組み合わせで山陰本線をかっ飛ばしてゆきます。特に加速力には目を見張るものがあり、電車並みの加速の仕方をします。下手したら電車よりも早い??
駅やカーブなどでの加減速がすばらしいです。

ただ、キハ40の4.5倍のエンジンを積んでいるわけですからハイパワーのあまり室内までエンジン音が響き渡り、線路とエンジンの振動も結構入ってきます。足からはエンジンの振動が伝わり、座席はマッサージチェアの如く震え...
トンネル突入時には窓ガラスがガタガタになったりと不安点が多いこと。
走り性能に全振りでそれ以外は若干安っぽく感じました。個人的にはこの荒々しい乗り心地は嫌いではないのですが、一般のお客さんから見るとね...

鳥取を出ると内陸に入り、山がちでトンネルばかり。それでもしばらく走ると時々日本海が顔を覗かせます。

倉吉手前ではわい温泉の案内が出できます。アメリカのハワイにあやかっているわけではなく、漢字にすると「羽合」なので割と日本的な地名になりますね。それはそうと近くの海水浴場の名前が「ハワイ海水浴場」はやってますよね??

車窓から海を探しているとあっという間に伯備線との合流地点である伯耆大山へ。

EF64の貨物列車がお出迎え。ここから架線の下を走ります。

続けて米子。ここから出ている境港線の終点、境港は漫画家 水木しげるとゆかりがあり、あらゆるものに妖怪がいます。ここではホームと列車が該当します。この先の空港も鬼太郎の名前を冠しており、鳥取の空港は死神と幽霊族が支配。

米子を過ぎるとついに島根県に突入。県庁所在地の松江に停車。
この列車はスーパーの名を持つ列車として恥ずかしくない停車駅で、観光地である玉造温泉をかっ飛ばし次は目的地の出雲市です。

松江を出るとしじみで有名な宍道湖に出ます。やっぱでっかい。並走する国道をドライブしたら爽快感ありそう。

鳥取を出て1時間50分。ようやく目的地の出雲市に到着。出雲空港のチケットが取れていればこんなことには...

それでも刺激的なスーパーまつかぜの楽しい旅ができたのでよしとしましょう。

いつもこんなですが、ここからは時間との勝負です。

いぶし銀特急と縁結び

突然ですが今回のお供を紹介します。

レンタルサイクル君です!

この後の予定を鑑みて借りてみました。
借りた理由としてはこれからやくもを撮りに行くからですね。

ということで猛スピードで借りて斐伊川の土手に向かいました。

1009M やくも9号

7013M やくも13号

一度撮ってみたかった国鉄色とやくも色を狙いにわざわざやってきたわけです。
振り子制御ならではの振り子エラー(直線でも傾く)が2つともでてますね、これ。

面デカなのは踏み台持ってこないで柵をクリアしようとしたからですね。
で、でも...撮れたからいいや...

実はやくも9号と13号の間にレンタルサイクルで出雲大社へ参拝しに行っていました。
12キロくらいあったみたいです。我ながらアフォですよね。

かといって車借りるのも割高ですし、一畑電車は時間が合わなかったので機動性があるレンタルサイクルが最適だったので仕方なし。

こうした自分の知らない街を自転車で走るものいいですよね。
マルハンががっつり写ってるけど。

出雲大社参拝

自転車を40分くらい走らせて着弾。

んでんで、自転車を停めていざ参拝。

注連縄がデカい...

写真ではよく見る出雲大社ですが実際に行って見てみると迫力が違います。
でも、こちらは本殿ではなく神楽殿という祭事行事を執り行う場所で、実は1981年に建て替えられたものだそうです。

こちらが新嘗祭などの奉納行事を行う拝殿です。1954年竣功らしく神楽殿よりかは古く、理由としては不慮の事故で金閣寺状態になり、再建したためだそうです。

後ろの威風堂々立派な建築物が御本殿で、神社でよく見る大社造の代表的存在だそうです。たしかに神社といえば鳥居とこのスタイルですよね。

ちなみに御本殿には入れないので手前で参拝。

参拝が済んだので再びやくもを撮りに行くわけですが、ここまで来るのにトータル50分かかっており、このまま折り返すと間に合いません。

じゃあどうするのかというと

ばたでんと出雲そばを味わう

やってきました一畑電車出雲大社前駅です。洋を取り入れたモダンなスタイルがいいですね。

ここから電鉄出雲市の手前、大津町まで戻ります。

右は元東急の1000ですが、左はなんと自社発注の7000系

登場時は新造車両として話題を集めましたが、大手私鉄各社の車両が大型化・長寿命化したことによる中古車市場の枯渇によって、今後自社発注がスタンダートになるのでしょうか。

地方私鉄としては珍しい料金不要の特急に乗車。出雲ドームを見ながら戻ることにします。

途中、川跡という駅でスイッチバック

電鉄出雲市からみて出雲大社は西の方角にありますが、列車は一度東に向かってから本線から外れるように西に向かうので時間に関しては微妙...
歴史的に宍道湖方面に向かう路線の方が先だったのでしょうがないのですが。

電鉄出雲市から出雲大社前まで500円、往復1000円ですからちょっとお高め。
距離は13キロほどなので東京から赤羽くらいの距離でしょうか。

この後はやくも13号を撮影して駅まで戻りました。

出雲そばを食べに行きます。

駅前のお店で割子そばをいただきました。

出雲そばの食べ方としては一段目につゆをかけ、食べ終わったら二段目に残ったつゆとそば湯をかけ...というようにつゆを最後まで継ぎ足して食べるようです。

そば自体は黒め。コシはそこそこで香り強めでのど越し重視の感じででした。

食べ方がやや特殊でしたがおいしくいただきました。

次回予告

キリがいいので前編はここまで。次回はやくもに乗ってうどんの国香川へと向かいます。

 

ありがとうございました。

天竜川を遡上する 〜飯田線195.7kmの旅〜 2023/7/22

路線長195.7km、駅数94。

これにピンときた方はもうカタギではありません。お疲れ様でした。

冗談はともかく、このデータを持つ路線はただ一つ。そう、飯田線です。飯田線と聞くと古のオタクからは旧型国電の聖地だの佐久間レールパークだの出てくると思いますが、だいたいの鉄道をかじっている人ならば口をそろえて「乗破は過酷」と答えるでしょう。飯田線アイデンティティは路線図からも確認でき、路線長に対し多すぎる駅数を収めるために大抵の路線図はうねりを描いています。もし、手元に時刻表があるならば巻頭の路線図を見ていただきたいです。

元々4つの私鉄をくっつけてできた路線のために山奥にも関わらず駅間距離が大手私鉄並であること、線形が良くないことが合わさり豊橋〜岡谷間の所要時間は普通列車で概ね6時間〜7時間近くとなり…
場合によっては名古屋まで出て中央西線経由で岡谷を目指す方が早いこともあります。

そんな路線には恐ろしいことに7時間近くかけて走破する普通列車が今でも数本存在し、系統分離が進む現代において珍しい存在になりつつあります。

距離に対して完乗に時間がかかるヤバい路線。車はもちろん、原チャリの方が早い。

そんなタイパ最悪の路線を日帰りで攻略したお話です。

 

始まりは東京から。

ここから最近チャイムが変わった東海道新幹線豊橋を目指す訳ですが、後述する飯田線特急に乗ってくれと言わんばかりのひかりがあります。

乗るのはひかり653号。無慈悲にも静岡県自体通過です。リニアができない嫌がらせか?
新横浜を出ると次は豊橋。なんとわかりやすい。

やはり静岡全飛ばしなので早いこと。
9時53分着。1時間20分ほどで到着します。ここから飯田線に乗り換え。f:id:sanzoku_man:20230725120330j:image


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飯田線初めの列車は特急伊那路1号飯田行です。

車両は普通から特急まで受け持つ373系
豊橋発車が10時08分と完全にひかり635号と伊那路1号が乗り継ぎしやすいよう考えられているようで?f:id:sanzoku_man:20230725120417j:image

ここ、豊橋駅飯田線ホームは隣に名鉄線のホームがあります。

あまりにも近すぎて繋がってるみたいに見えますが、マジで繋がっています。というか同じ線路を走ります。ホームですら繋がっているので、ぶっちゃけ到着ホームが違うだけです。

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10時8分。ついに修行の始まり。とりあえずは伊那路の終点、飯田を目指します。f:id:sanzoku_man:20230725121117j:image

少しの間、東海道線と並走し下地を過ぎたあたりでお別れ。f:id:sanzoku_man:20230725121241j:image

続いて豊橋から線路を共用してきた名鉄名古屋本線とお別れ。短時間に名古屋へ向かう2つの路線と別れます。ここは平井信号所と言うらしいです。

豊川、新城と進み、どんどん山の中へと進路をとり、西三河の奥へと進みます。
撮り忘れましたが長篠の近くに長篠の戦いで有名な長篠城がありました。f:id:sanzoku_man:20230725122258j:image

静岡に入るまでは豊川に沿って進んでゆきます。暑い日が連続していたので川遊びスポットには子供連れが多いこと。このあたりから秘境感が深まってきます。f:id:sanzoku_man:20230725145402j:image

ここから先、三遠南信自動車道の建設現場や道路が飯田線から眺められます。

鳳来峡インターチェンジの先を造っているのでしょうか?

飯田線最強のライバルにして最大の敵。これらが全通を迎えた時、飯田線はどうなるのでしょうか。そもそもできる頃には日本が存在してるか?f:id:sanzoku_man:20230725145812j:image

中部天竜豊橋行の伊那路とすれ違い。こんな山の中でも浜松市の区内なのでなかなか面白い。中部天竜といえば佐久間レールパークがあったことが有名ですかね。現在、展示物の多くはメダルを噛む街金城ふ頭のリニア鉄道館に収蔵されています。まだ行ったことがないので早く行きたいな。f:id:sanzoku_man:20230725145914j:image

分かりづらいですが中部天竜を出て橋を渡ると佐久間発電所の横を通ります。飯田線ルーツとの言える電力事業の一つですね。SLにとっては難関ともいえる路線でしたからかなり早い段階で電化され、豊橋ではSLが驀進する天下の東海道線を差し置いて電車を発着させていた歴史があるようで。

ここから天竜川に沿って飯田へ向かいます。

また、ここから飯田線の新線に入ります。ダム建設のために線路を付け替えた区間みたいですが、もうすでに60年以上経過してるので新線感ありませんが…
とはいえ、これまで川に沿って進んでいたところを直線的なトンネルが横たわっているわけですから線形的には新線感はあります。

一部の廃線跡はまだ線路共々残っているみたいです。
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赤い車が走る道は、かの有名な青崩峠へと通じる道。ついに青崩峠トンネルが開通し、道路状況が変わるとともに「捨てられたトンネル」と言える草木トンネルの去就が気になりますね。

ちなみにこのあたりは中央構造線の近く故、土砂崩れが多発。車窓からも確認できるほでした。

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ここは渡らずの橋こと第六水窪川橋梁。先程話したようにこのエリアは中央構造線の近くで地質がよわよわで土砂崩れが連発し線路を通すはずだったトンネル建設が中止、計画とは別ルートを取らざる負えない状態になったので、橋を渡ると元の岸に戻るという不思議な形になりました。f:id:sanzoku_man:20230725151657j:image


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長野と静岡の県境には飯田線で人気を誇る小和田があり、伊那路はそこを通過。

特急はもちろん通過しますが、臨時の急行である「飯田線 秘境駅号」は小和田を始めとする秘境駅に止まりまくるみたいで。

あ、普通列車はちゃんと毎日止まります。

 


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またまた見えてきた三信南越自動車道が見えてくるとまもなく天竜峡です。


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天竜峡からはこれまでの急峻な峡谷が続いてきた車窓が一変。伊那盆地に出るため、典型的な盆地にある街並みが広がります。


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ぐるーんと飯田の街を迂回するように走りますがちゃんと飯田には着きます。
Ωカーブを描くため下山村伊那上郷は真っ直ぐ走ると飯田を経由した列車に飛び乗れるとか?


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豊橋から2時間33分、伊那路の終点の飯田に到着です。もうすでに満足感はありますがこれでも路線の半分いったかどうか...
というか目の前に東日本の211系がいるので「遠くに来た」感がやや薄れる...


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伊那路の感想ですが、「特に急がない」という言葉があてはなる特急でした。流石、日本最遅級の特急です。下手な快速の方が早いです。カーブや交換駅での徐行をじかに感じられるほどの線形の悪さが速達性を損ねていると感じますね。と言っても伊那路が生き残っているのは、やはり周辺道路の整備が関係していると思います。三信南越自動車道が絶賛整備中ではありますが、所々で大型車両が苦戦を強いられるような道路状況ですから現状では伊那路のルートを辿る高速バスが登場しない限りは伊那路は安泰なのではないでしょうか。豊橋~飯田を移動するだけなら絶対車の方が早いけどな...

もう少し先まで運転してもらいたいですが、高速道路の建設・急行こまがねの廃止...
このことを踏まえてあとはお察しください...

ちなみに373系はコンセントは付いてないしデッキは完全に仕切られていないですが割と快適でした。ただ、383系の置き換えが発表されたので今度は373系の番ですかね?


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飯田駅前は良くも悪くもノスタルジックな雰囲気。でも、生活するには困りそうにないです。だって田舎じゃありませんし。ただ、このエリアはリニア中央新幹線の駅ができることが予定されており、完成した暁には大きな変化が待っているでしょう。(40分のないはずだから品川までの所要時間、ワイの田舎よりも早いやんけ...)

まぁ…リニアアレルギーを持つ隣の某県知事のおかけで開業がいつになるか…

リニアを摂取してアナフィラキシーショックを起こしたらまずいのでね?

そんなこんなで飯田の街に着きましたが、すぐに改札に入り飯田線の旅を再開します。


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ここから岡谷までお世話になるのは213系。2ドアで転換クロスシートを備える電車です。元々、関西本線に投入された電車ですが流れに流れてトイレを追加されて飯田線にたどり着きました。ここを終の棲家とするのでしょうか。


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飯田を出ると列車はゴリゴリ音を立てながら急カーブ・急勾配に挑みます。
天竜川によって浸食され形成された高低差の激しい田切地形を攻略するためにカーブを描きながら崖のような地形を乗り越えます。まぁ...新しい道路は高架橋で高低差を帳消しにしていますが。


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高台に出るとこうして伊那盆地を見ることができます。


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駒ヶ根で対向列車を待つために小休憩。改札外へと出てみました。この日は雲が出ていて駒ヶ嶺の方は見ることができず。18きっぷや長距離きっぷだとこうして途中下車できるのが嬉しいですよね。

 

突然ですがJR線内で一番の勾配はどれぐらいでしょうか?廃線になってしまいましたが、大体の人は信越本線の横川〜軽井沢の66.7パーミルと答えるでしょう。ですが現在も存在してる最急勾配はどこか?と聞かれた時パッと答えられる人はあまりいないと思われます。(個人談)


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答えは飯田線赤木〜沢渡の40パーミルです。

飯田線は秘境路線のイメージがあり、あまり山岳路線のイメージがありませんが、先ほどの田切地形のように割と勾配線区の顔も持っていたりします。

箱根登山鉄道井川線のような狂ったような急坂ではありませんが、まるで滑り台のようです。列車は抑速ブレーキを効かせながら通過してゆきます。


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伊那の街を抜け豊橋から5時間32分。15時40分に飯田線終わりでありJR東日本との接続駅である辰野に到達。ですが、列車はここから先、辰野支線を介して中央東線の茅野まで乗り入れ、私自身岡谷まで向かうのでもう少し213系とお付き合い。


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ようやく中央東線との乗り換え駅、岡谷に到着。これでも最速のプランですから飯田線攻略は時間がかかりますね。

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岡谷からはあずさで帰ります。Ë353系って乗るの初めてなんですが、いつも乗っているE657系とあんまり変わりはありませんね。コンプレッサーの稼働音ちょっと気になるくらい。ただ、コンセントの位置がE7のように前の座席の下なのは許しません。f:id:sanzoku_man:20230727172823j:image

あずさに乗っていると上諏訪から諏訪湖がみえますが、この湖はこれまで飯田線で辿ってきた天竜川の「起点」です。ここから太平洋(浜松)に繋がっていると思うと感慨深いですね。

 

あ、このあとは新宿で飯食って帰りました。

 

総評です。
飯田線をできるだけ最速で尚且つ日帰りで帰れるようにプランを組みましたが、割となんとかなるものですね。似たような歴史や雰囲気をもつ身延線は完乗済みなので、身延線の魅力と所要時間を倍にしたような感覚でした。ただ、気軽に攻略できるような路線ではないのでそれなりに覚悟を決めて乗るべきではないでしょうか。
元私鉄だったために膨大な駅数を誇り、急峻な地形から盆地まである飯田線は乗る人を楽しませてくれるはずです。

今度はオール普通列車で攻略か...?

 

ここまで見てくださりありがとうございました。

 

東京から大回り!冬の北陸の洗礼を受ける旅 後編 2023/2/14~2/16



前回の続きです。前回のお話を見ていない方はこちらへ。

 

sanzoku-man.hatenablog.com

今回は富山からスタートです。

 

蒼いラストワンに逢う

 

おはようございます。
時刻は6時を回る前。こんな朝っぱらからキャリアケース転がしてます。
だって朝が早すぎてバスも路面電車も動いていませんのよ。

ぼやいていてもどうしようもないのでおとなしく歩きます。

そしてこの日のトップバッターは!

必殺徐行マシーンです!!

失礼しました。こっちです。


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あいの風とやま鉄道所属の413系です。
最近だと道楽社長率いるえちごトキめき鉄道が有名ですが413系の譲渡車はここ、あいの風とやま鉄道にも在籍しています。というかこっちが先で本数もいますし。

今回乗るのは存在している413系で一番ベーシックなAM05編成です。
現在、この会社に所属しているのは3編成ほどで、前はそれなりの本数がいたようですが寄る年波には勝てず、数を減らしました。他の編成は完全観光向けの「一万三千尺物語」とラッピング車両の「とやま絵巻」の三つです。

このAM05編成の外観は青一色であいの風とやま鉄道カラーに思えますが、これはれっきとしたJRの地域色です。中国エリアの「末期色」のお仲間ですね。
車内もJR時代とあまり変わっていないようです。国鉄~JR黎明期という時代に生まれた413系は急行型を近郊型に改造、もとい「車体更新」したものなので、足回りは種車の急行型からそのままま*1ので、乗り心地は高規格の路線と相まって結構よさげです。ちなみにこの編成はJR時代に改造されたので「NOT国鉄ムンムン」です。床下機器を嗅いだら少しするかもです。

元特急街道を元急行型でゆく

列車は富山と発車し、金沢方面へ。413系の運用は朝夕限定で設定されているので日中に乗れないのは残念ですよね。だから早起きしたわけだが。

MT54を唸らせながらひた走ります。

森本~津幡

521系のものになりますが、413系もマックス110キロくらいででましたね。労わって走る動態保存ではなく「生きている」車両でした。


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最初の大きな駅、高岡ですが新幹線ないんですよね。ここから新幹線に乗るためには写っているヨンマルティーニに乗って一駅、城端線新高岡まで行かなくてはならないみたいです。あっちも乗りたいなあ。


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続いて九州に上陸。

ここが福岡県最大の駅、福岡駅です。

地下鉄も新幹線もないし、空港もないですがね???


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ちなみに福岡を過ぎたら雪がヤバくなってきました。車窓もクソもねぇ


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そして列車は県境で会社境の倶利伽羅へ。

雪ヤバいっすね。ここからIRいしかわ鉄道に入りますが、列車はすべて直通なので乗り換えはありません。あったら鬼畜です。

413系を撮る

金沢近くの森本という駅で一度降りました。

この時、飲みかけのゾーンが413系とともに金沢に旅立ちました。俺の金で買ったわけじゃないからいいか…*2

折り返して向かうは〜〜


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先程紹介した倶利伽羅です。さっき通過したときよりも雪ヤバイんだけど…


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駅前これはヤバイよヤバイよ~

しかもですよ?こんな無人駅にコインロッカーなんてありませんからキャリーケース引きずりながらこの雪の中を突撃しなくてはなりません。


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なんで旅先で人力ラッセル…

もうねバカよバカ。

あとにも先にも冬の倶利伽羅にキャリーケース持ち込む人間はいないでしょう。

んで駅近くの撮影地に到着。先程乗り捨てた413系の折り返しを狙います。


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ところでこんな状態で電車撮れるのかね???


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キャリーケースとバックが行方不明なりそうだよォ!?

同業者の方が一人いらっしゃいましたが、その方も季節外れの大雪に困惑してましたわ…

 

413系 AM05編成 

カメラくんには頑張ってもらいました。手持ちなのにカメラに雪積もってましたから。

さて、ここから急いで駅に戻ります。キャリーケース持って。

途中、雪で垂れた木があったのですが、キャリーケースを盾にバンザイ突撃したらちょうどよかったです(良くない)

雪の中走りましたけど列車には間に合いました。なんとかなるもんですね。

七尾線攻略戦

まぁ、急いだ理由もちゃんとありまして


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金沢ついて荷物をコインロッカーにぶち込んですぐに折返し。

分かりづらいですが、今から能登かがり火に乗車し、和倉温泉を目指してゆきます。


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車両はリニューアル済みの683系。


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車内の雰囲気は良さそうです。

うーんでも、それなりの距離を走る西日本のフラッグシップでありながらコンセントが車端部しかないのはちょっとね。

しかもリニューアル済みなのに。


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金沢出て車窓もクソもありません。

ただただ真っ白です。


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列車はどうも四国までたどりついてしまったようで???いつ瀬戸大橋渡ったし


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羽咋周辺になると雪が落ち着き久々に見る青空が。


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気づけばもう七尾。

奥に七尾線色の521軍団がいますね。

魑魅魍魎の415系時代に来たかったなぁ。


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金沢から割と時間が掛かりました。

特急の終着駅で観光地なのに最近無人化した駅です。

特に何をしにきた訳でもありませんが、七尾線完乗するために倶利伽羅ダッシュをキメたわけです。温泉は入りません。

なんでソッコーで折り返します。


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皆さん683はどっちの顔が好きですかね?

私は両方好きですが…


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折り返し準備中にのと鉄道の普通を先に七尾に行かせます。七尾ー和倉温泉は西日本が線路を持ちのと鉄道が運行するという複雑な区間なので難解ですね。


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列車は能登かがり火からサンダーバードに変身。

ちなみに、金沢まで指定を取りました。新幹線開業で和倉温泉まで足を伸ばすサンダーバードがなくなる可能性あるみたいで。指定取ったのに先客いましたが…

号車と座席番号はよく確認しよう!!


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七尾を通過すると先程追い越したのと鉄道の列車が折り返しの準備。いつか穴水方面にも行ってみたいですね。


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一気に飛んで金沢手前。

新旧ラッセルが待機していました。

金沢到着!天からの贈り物💢


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えー…例のやつです。

柱が捻れた凱旋門みたいなやつです。

金沢ではちゃんと観光しますよ。


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金沢市内では周遊バスが走っていまして。

一律200円で乗れます。ポイントは北鉄バス自体は交通系ICカード非対応ですが、このバスだけは対応。観光客にはありがたいですね。

 


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周遊バスに乗ってきたのは兼六園

この時期、兼六園では木々を雪の重みから保護する雪吊りが見られます。


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霞ヶ池という兼六園の中心にある池があります。

綺麗だねーなんて眺めてたら天気が急変…


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あーもうめちゃくちゃだよ…

もうこんななので退散………


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ひがし茶屋街まで歩きましたが、なんかショボかったな…

お土産買って金沢からは退散。

北陸鉄道行きたかったなぁ…

開業前の新幹線を眺めながら福井へ

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しらさぎで金沢を発ちます。

適当に自由席で…

ド平日でも乗車率は高いですね。f:id:sanzoku_man:20230421121548j:image

だからさぁ…景色が見えねぇんだって…

天気が少し回復し、新幹線の高架が姿を現しました。
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ちなみにこの時のあっしは「新幹線来ないかなー」って見てたそうです。

テメーが乗ってるの特急はなんなんだ。f:id:sanzoku_man:20230421123744j:image

加賀温泉では観音様を拝むことができました。

歴史的背景はなく、潰れたレジャー施設の一部だったものらしい…?

そんなこんなで福井に到着f:id:sanzoku_man:20230421124139j:imagef:id:sanzoku_man:20230421124734j:image

氷河期来てません…?

このあとは
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ヨーロッパ軒でソースかつ丼を食べてf:id:sanzoku_man:20230421124328j:image

福井鉄道の電車眺めて

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投げ売りされていた押し寿司買ってこの日は終了。

あとは帰るだけになりました。

西日本の王者、サンダーバードで京都へ

いよいよ北陸を脱する日がやってきました。


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サンダーバード大阪行に飛び乗ります。

リニューアル車なので中身は和倉温泉行ったときと変わりません。f:id:sanzoku_man:20230421124908j:image

めちゃくちゃ分かりづらいのですが、北陸トンネル突入時です。

ちなみにゴドゴド揺れます。特急が走っていた頃の長崎トンネルほどではありませんでしたが…f:id:sanzoku_man:20230421125112j:imagef:id:sanzoku_man:20230421125126j:image

北陸トンネルを抜けると新幹線の高架が迫り、敦賀に到着。

新幹線の敦賀延伸によって来年には大きく変わりそうな駅です

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新疋田周辺の勾配対策でループ線になっており、敦賀の街を眺めながら旋回します。眼下には小浜線の線路が見えますね。

ループを超えると
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まるで新幹線のような高規格の高架に入り、サンダーバードはモーターを唸らせながら疾走します。そして、琵琶湖が少しづづ近づいてきます。


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いや…もう海だろ…

そう琵琶湖を眺めているとあっという間に


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京都に着いてしまいました。サンダーバード、速いわ。

山科問題と113系

京都から折り返しでちょっと113系を撮りに行きます。

ですが、私は東京方面への切符を持っているのでこのままだとキセルになってしまうそうです。

北陸方面から東海道新幹線に乗るときっぷとしては最短距離である山科で新幹線に乗るということになってしまいます。もちろん、山科に新幹線駅なんてもんはございませんので京都に行くわけですが、この山科〜京都は特例区間で料金は算出されない?らしいです。なので北陸方面からきたきっぷを持って京都で途中下車はできないそうです。なので降りる際は山科〜京都間の往復乗車券を用意しなくてはなりません。だったら山科に東海道新幹線の駅作れよ。

んでまぁ、対策をして大津京でデンシャしました。


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張り上げ屋根ではないオール30N更新車だったのでラッキー。

京都抹茶茶道部こと*3京キトの113系軍団ですが、この当時に余命宣告されており、今年の4月に全車引退しました。

わざわざ8連を見るために福井を早めに発ちました。

ちなみに切り位置は全くわかりません。カスです。


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このような光景も過去帳入りしてしまいました。

東海道新幹線で東京へ戻る

お京阪でも撮って帰るかーなんて考えてましたが、「嫌な感じ」を感知する謎の第六感センサーが作動したので東京へ戻ります。

なーんか京都来たのに雪降ってるし…

もう雪はいいって


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米原過ぎると天気良くなりました。


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肝心の浜名湖で曇りました。うんち

ちなみに東海道で好きな景色は浜名湖周辺です。どうでもいいですが。

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富士山はまぁまぁでした。中吉くらい?


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相変わらずの速さに感心してたらもう東京。

ちんたらお買い物して帰りました。

 

そんで第六感センサーは当たったのか?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE168WO0W3A210C2000000/

ビンゴでした…

 

おわりに

いかがだったでしょうか。
前回から日が空いてしまいましたが、なんとか終わりました。

住んでいる場所が場所なので北陸2泊3日はかなり無理がありました。
結局、北陸鉄道に乗れず福井は泊まるだけになってしまい...

また近いうちに行くと思います。今度北陸方面にいくのは敦賀延伸後になりそうですかね。

行きたいところ乗りたいところ、課題が残っているのでね...

 

ここまで見てくださりありがとうございました。

*1:台車はJR時代に譲渡前提で更新されています。なんだあの会社

*2:富山県のクポーンで買ったのでノーダメージ

*3:2023年、京都抹茶茶道部ネタって通じるんか!?

東京から大回り!冬の北陸の洗礼を受ける旅 前編 2023/2/14~2/16

 

皆さん、「冬の旅行」と言ったらどこに行きますか?

寒いのがイヤ!という方は沖縄や海外に行きますでしょうし、ドMは北海道とか行くのでしょうか。私はどちらかというと後者ですが。。。
雪がほとんど降らない地域の人間なので雪をみると年をとっても興奮するものです(個人談)。

今回は「そろそろ雪は終わりかぁ」というなめきった思想をもったにわか者が北陸に行ったお話です。

 

いきさつ

「就活が本格的になる前に一発キメるかぁ~」という安易な理由で2泊ほどの距離で行ける場所を選定。2泊もあればどこでも行けるケド、というツッコミは置いといて、まだまだ未探検の地である北陸に焦点を当てました。はくたかですけどトクだ値30%取れましたし。そんなこんなで下地ができたため北陸3県に行くこととなりました。

いつものことですが、ろくに下調べしないで時が経ち当日を迎えることに。。。

碓氷を超えて富山へ

上野駅への行程はカットします。いつも通りビューンしてドーンなので。

んでんで、上野から乗るのは

はくたか553号です。たしか車両は東だったかな。
取った席は窓側A席です。
上野から乗ったと申しましたが、おかしいな?この日は平日
なのにほぼ満席とはいったい...
東京発車地点でB・C席が埋まっており、「ごめんなさい」してA席に突撃。
荷棚も埋まっていたので荷物は抱えて着席。かなしいね。
通勤客に加えてスキーヤーも散見され、なかなかの混雑。ですが、この混雑は長野まででした。

ホントに列車は停車したことがあるのかわからない安中榛名を通過、あっという間に碓氷峠を通過し浅間山を望む。実は長野新幹線区間含めてほぼ未乗であったので、碓氷峠攻略はとても感動しました。バスか車でしか通過したことがないものですから...
鉄道ファンの「聖域」といわれる「ヨコカル」区間を現役時代に体験してみたかったです。

長野までは割と駅をすっ飛ばしてきましたが、ここからは各駅に停車。
なんか雪が降り始めましたね...


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どうしてこうなった…

さっきまで雪がなかったのに…

しな鉄(旧信越本線)の豊野を過ぎたあたりから景色は一変。まぁスキー場が点在している飯山エリアに向かっているのである程度理解はできますが、いきなり雪国になるのはびっくりしますよ。


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飯山、上越妙高を通過し、日本海側に出ると雪は落ち着き、糸魚川付近で海とご対面。
車窓から日本海を拝めるのは北陸新幹線アイデンティティの一つでしょうか。

富山弾着

個人的な見解ですが、西日本管轄に入ると富山まであっという間の気がします。
やや古い人間なのでここからサンダーバードに乗れそうですが、、、

ここで今回2日間使用するきっぷを窓口で発行。


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えきねっとのeチケットで北陸に来ると「北陸周遊乗車券」というフリーパスが発行できます。

条件はeチケットを購入したことを証明*1することができれば窓口がある駅で発行してくれます。

料金は脅威の2580円。特急券は別で新幹線に乗れないことを除けば北陸地区の移動はほぼ無料になります(?)。富山〜鯖江まで単純移動するだけで元が取れます。というか、これ一枚で糸魚川から舞鶴の近くまで行けるの怖くない?
複雑に会社が入り組み、通しで乗ると何度も料金のリセットを食らう北陸地区では適当に乗るだけであっという間に元が取れてしまうのです。
最大の弱点は影の薄さ。パンフレットとか見たことないような気がします。まさに「知る人ぞ知る」お得なフリーパスだと思います。

影は薄くても強烈な価格設定の「北陸周遊乗車券」ですが、なんだか無くなりそうな噂があったので使ってみたかったんですよね。*2

富山に着いてコンコースに出ると路面電車(市内線)がお出迎え。
普通に話していますがコンコースに路面電車ですよ?
バスより自然に入ってきてるじゃん。

鉄道線から迷いようがないほどダイレクトに乗り換えができる市内線は自分のようなよそ者にはわかりやすくうれしいものです。

せっかくきたので軽く市内線の電車をウォッチ。

デ7000形

製造から60年近い古豪がやってきましたがいきなりの吹雪。
先が思いやられます。

ガンガンいろんな車両がやってきましたが吹雪と寒さで早くもリタイヤ。
よわいね。

14760形

17480形(元東急8590)

16010形(元西武5000)

んで寒い中稲荷町近くで地鉄を撮るという拷問開始。

地鉄の代表的なオリジナル車両である、14760形(雷鳥色が撮りたかったケド)や初代レッドアローにして機器がめちゃくちゃな16010形に会えたので満足。

地鉄の形式って結構特殊なんですよね。モーターの馬力+形式番号なのでJR四国以上に異彩を放っています。

ここから電鉄富山の隣駅、稲荷町まで散歩。


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これは魔境。

 

色々転がっているので見物する価値はあり?

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最近運行開始した元西武10000形改造の20020形はこの日、稲荷町で日中はおねんね。なかなか縁がなく、最後まで乗ることはありませんでした。

先程紹介した元初代レッドアローの16010形もとい西武5000の床下機器を流用して西武10000が誕生。それ故、車体以外は剥ぎ取られてしまったため、買い取った地鉄がいろんな会社から買い取った部品を集めて作ったので、いろんな機器がごちゃごちゃになっています。台車なんでどう見ても西武のものじゃありませんし。
つまり、富山の地にてドナーと再会を果たすという面白いことに

いや、20020は奪った機器を16010に返してやれよ。

立山の麓へ

そんなこんなで

稲荷町から電鉄富山に戻り、ここから全線完乗の旅に。
窓口でフリーパスを購入して、まずは立山に。

来たのは元東急8590の17480形。
これであの立山の麓まで行くんか…?
なんだか不安になってきました。

 

ガタガタ揺れながら富山平野を疾走。
パッと見でも分かるくらいの隙間が空いているジョイント。
鉄の特性上レールが縮む冬なので仕方ないのですがなかなかの揺れ具合。
こんな状態でも列車のスピードメーターは85を指し、運ちゃんの体はぐわんぐわん揺れる…


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地鉄のワイルドさに驚かされていると徐々に車窓には雪が増えてきます。
田園都市線時代に半蔵門線で乗ったことのある車両ですから窓の外に雪原が広がっているのはやや違和感。


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…いや増えすぎでは?

まぁ立山の麓なので仕方ないですが
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列車は唸り、勾配を駆け上がると立山駅に到着。

すごい…雪…です…


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だからスノーシューズを履く必要があったんですね。旅直前にシュー○ラザで買っといて良かった!


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なかなかの積雪ですが、ホーム端に立山アルペンルートよろしく「壁」が出現することがあるので、まだ大したことなさそうです。


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立山駅は一昔の地下鉄チックな印象。 

駅自体は割と大きいです。いちおう立山アルペンルートへの玄関口ですし。
今でこそ優等列車は激減しましたが、名鉄国鉄・JRが乗り入れていたようなところですから。

列車発車まで駅舎内にいました。だって雪すごいんだもん。


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線路もこんなですから恐ろしい。

それでも東京育ちの電車はプロの運転手の力で難なく山を降りていきました。


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一路稲荷町

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駅名板がズタボロな岩峅寺で上滝・不二越線に乗り換え。

17480とはここでお別れ。

次の〜電車は〜〜!?


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元京阪の3000よろしく10030形がお出迎え。

元を正せばこの車両は特急仕様ですので


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かっちり転換クロスシートを備える豪華仕様。

平日には出てきませんけどダブルデッカー車も所属してるので面白いですよね。

ダブルデッカーを挟んでいる編成は京阪所属時の特急色を纏っていますがこちらはオリジナル塗装の「かぼちゃ」。とはいえ中身は大体一緒です。

南富山で路面電車と線路が混ざっているところを撮り忘れて稲荷町まで戻ってきました。

本線の果て、宇奈月温泉に向かう

ここからついに本線の終点である宇奈月温泉を目指します。

いやぁ〜そろそろオリジナル車両の14760形に乗りたいなぁ!?

レッドアローでもいいのよぉ〜!?


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知ってた

ということで通勤仕様のこいつで宇奈月温泉に行きます。


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列車はトコトコ山に向かって針路を取りますが、急勾配がまったくない平野に位置する上市でスイッチバック。本線の見どころの一つではないでしょうか。

昔に廃線になった路線があった名残らしく、ここから山ではなく海に向かって行く感じになります。理由を聞くと遠軽みたいですね。


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そして針路を海に変えるとあいの風とやま鉄道と合流。元北陸本線ですが、新幹線開業で第三セクターに移管。主に日本海縦貫線としての役割と通勤通学輸送をメインに行っています。詳しいことは後ほど。


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魚津の街が近づくと元北陸本線コークスクリューかました上に高架という同じ土俵に上がってきます。割と並走区間が長いような。

この辺は割と混んでいたので写真はしばらくなしです。


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話飛ばし過ぎじゃね?

だって新黒部すぎるまで混んでいたんだもん。

立山のように雪が現れるといよいよ終点。宇奈月温泉が近づいてきます。


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これにて富山地方鉄道の鉄道線(元ライトレールは除く)は完乗です。

多分、稲荷町まで散歩したり立山線と上滝・不二越線の順番変えてたらもっと早く到達できたかと。

乗れればいいんじゃい


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お隣には黒部峡谷鉄道のトロッコ群が冬眠中。春がやってくるのを雪を被りながら待っています。

宇奈月「温泉」ですから、ホームに足湯があります!
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あります💢

はい、寒いので列車に戻りました。

あいの風を感じる

あいの風とやま鉄道の乗り換え駅、新魚津までカット。ここから元北陸本線で富山に戻って行きます。


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ここ、魚津からやっとこ最強フリーきっぷの出番です。と言っても片道570円程度ですがネ…

初めて乗りましたが、三セクになっても動脈の一つであるため結構早い!地鉄だとこの区間は1.5倍の時間が。

それでも、停車駅の多い地鉄と速達性重視のあいの風はちゃんと棲み分けられていました。


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魚津から24分程度で富山に到着。

めちゃくちゃ混んでいたんですけど。

このまま市内線でホテルに行って荷物を投げ捨て、地域クーポンをなぜか4000円もらえたのでウキウキで寿司を食いに駅に戻りましたが、もうどこのお店も受付終了...


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仕方ないので「富山ブラックラーメン」を食べて、例のホテルで乞食したラーメン食べてこの日は終了。

こいつ2杯のラーメン食ってる。これはデブ。

 

長々と話していてもアレなので2日目以降は後編に。

次回予告

蒼きラストワンと金沢の洗礼、そして新幹線開業が近づく福井界隈

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

*1:えきねっとの画面かそれを証明するコピーがあれば買える

*2:マジでなくなるそうです。JR西日本に特別企画のきっぷに粛清の嵐が吹き荒れ、無事死亡。購入・使用できるのは2023/3/31まで